ひとつ恋でもしてみようか

いつも同じようなことを言っている

食べまくりたい

コンビニ弁当やら半額のお惣菜やらでだらしない体になってしまい、実家にいるころはそれなりに良いものを食べさせてもらって繊細に守られていた舌も今は完全にチューニングが狂ってしまった、と思っていたのだけれど、最近手づくりの料理を食べさせてもらう機会が多くてなんとなく少しだけぜい肉が落ちた気がするし、舌にまとわりついた泥も落ちたようで気持ちがいい。タバコを止めた人がよく「禁煙してからご飯がおいしい」と言うけれど、そんな感じかもしれない。

誰が作ったのかわからない加工食品は味にもやっぱりモザイクがかかってる気がする。いくら食べてもぼやけていて食べてる気がしない。だから食べ過ぎてしまう。そのことがわかったのは、手づくり料理を食べる機会が増えたからだ。久しぶりに、と言っても3日ぶりくらいだけど、コンビニ弁当を食べてみたら、味がわからなくて驚いた。

ちゃんと出汁をとったりして食材からしみ出る旨味みたいなものを引き出してるメシって、食べ過ぎることがない。もちろんうまいうまいってな具合に食べまくることはあるんだけど、食べ過ぎたみたいな罪悪感はない。まあそれは俺が今まで不摂生を重ねてきたからってだけかもしれないけど。ふつうの人は加工食品だろうが手づくり料理だろうが、食べまくったら反省するのかもしれない。

 

こないだ、お店で鍋を食べた。ねぎとか白菜とかキノコとか、あとなんかいろいろ(忘れた)を昆布出汁で煮て、脂の乗った魚をしゃぶしゃぶして食ってポン酢につけて食うのは最高だった。シメのうどんもうまかった。

いっしょに食べてた人がこの世の中には「常夜鍋」という粋なシロモノがあると教えてくれた。昆布出汁に日本酒を入れたものに、ほうれん草と豚肉を突っ込んで煮たやつらしい。俺は食に全然興味がないので(食べることは好きだけど)、そんなものがあってそんな名前がついてることも知らなかったんだけど、これは食べてみたい。毎晩でも食べれるほどうまいから「常夜鍋」って名前がついてるらしい。いいな。家にカセットコンロと鍋を導入したら俺にもできる。カンタンな料理だし、これくらいならできそう。

 

だったらすぐやれよ、って話なんだけど、俺はまだカセットコンロも鍋も買ってない、買う予定もない。ちょっと頑張ればすぐにでも買えるんだけど。でも「できそう」と思えたことが何よりも大事なのだ。いままでの俺は自分が家で鍋やるなんてありえないと思ってたから。というか、この部屋で鍋するなんて発想がなかった、これだったら俺にもできそうって思えるのは本当に良いものだ。今シーズン中に常夜鍋やりたい。