ひとつ恋でもしてみようか

いつも同じようなことを言っている

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

デタッチオアアタッチ

「日本語わかんないなら日本に来んじゃねえよバーカ」牛丼屋。隣に座る男が、中国人の女性店員に言う。薄汚い身なりをしたその男はろれつが回っていない。 俺より後に店に入ってきたその男はすでに酔っぱらっていて、キムチと瓶ビールを注文し、瓶を空にする…

子供が酒を飲んでいる

いまこの瞬間を楽しむ、ということは、快楽主義的に思われて否定されがちだけど、じつはとても難しいことなんじゃないかと思う。なぜなら人間は、過去にとらわれ、未来におびえるからだ。年を取るごとに人は、いまこの瞬間を楽しめなくなっていくものだ。過…

口唇期なう

俺にとってミンティアは、1箱(単位あってる?)51粒だ。フタの部分まで口に含むから。飲まないけど、延々噛み続ける。だったらガム買って噛んだ方が良いんだろうけど、ミンティアの方が口臭に効く気がするから、ガムではなくミンティアを選ぶ。スカッとする…

日高屋のカウンター

金に余裕があるときは、日高屋に行く。きょうはアジフライ定食を食べた。安っぽいのにけっこうな値段がするあの定食が好きだ。アジフライにポテトサラダ、そしてギョーザが6個もついてくる。ささやかな贅沢だ。これに生ビールをつければ最高の贅沢なんだけど…

『そして父になる』、『男と女のいる舗道』、『インターステラー』について、ずっと昔に書いた感想文

ずーっと昔に書いた映画感想文を発掘したのでここに晒します。めちゃくちゃ背伸びしてるくせに下手くそで、完全に黒歴史という感じですが、これでも数ある中のマシなやつです(そう思えているからここに上げている。それは裏を返せば、これくらい書けてれば…

ニート・オン・メリーゴーランド

俺は地元がイヤだったから、地元志向の友人たちをちょっぴり軽蔑しながら彼らよりは受験勉強して1年遅れだったけど、念願叶って入学のために上京できた。こうやって慎重に書いてみて改めて感じるのは、俺は、大学で勉強するためでも、東京で思いっきり遊ぶた…

彼女はまだ俺を知らない。

俺の通っていた高校の誰もが認める美女は学年のミスで、モデルか女優になりたくて俺より1年はやく上京したらしく(pepsのホムペで知った)、しかしけっきょく鳴かず飛ばずでいまはふつうに働いてるっぽく(Facebookで知った)、いまはどうしてるのかわからな…

顔こそがスペクタクル 『スポットライト 世紀のスクープ』ネタバレも少しありつつ雑感

ストーリーについてのネタバレというほどのものは書いてないとおもうけど、そういうのが絶対に嫌だという人は読まないでください。 アカデミー作品賞、脚本賞を受賞した『スポットライト 世紀のスクープ』は、とにかく登場人物の顔、表情がいい。 マーク・ラ…

耳鳴り

一瞬静寂が訪れた後すぐに「ピー」と音がする。外部からではなく、内部の音、俺以外の誰にも聞こえない、俺だけの音。耳鳴りがしている。その耳鳴りを聞きながら遡及して思い出されるのは、「ピー」という音の前の一瞬の静寂、よりも前、自分の耳が「ザー」…

通過していく

生まれてからこれまでの間に、どれくらいの量の食物が、この体を通過していったのだろう。1トンは、いまここで目の前にあったらものすごい量だけれど、四半世紀生きた俺の体を通過していった量としては、ほんのいちぶだろう。俺はひとより食い意地張ってるし…

大根の天啓

ここ2週間くらい、まめに自炊するようになった。自炊を続けるコツは、自炊を楽しむことだと思う、と言うと身もふたもないんだけど、「いや、楽しめないからつらいんじゃん」と言われるだろうけど、3週間前の俺にこんなこと言ったら同じく「自炊のどこが楽…

俺の中学生のころの性事情

中学生の頃ってAVは見たことなく女のヌード写真しか拝見したことなかったから、じっさいにセックスというものがどんな風に行われるのは知らなかった。しかし得体のしれないセックスをしたいという気持ちだけは強かったように思う。俺がはじめて動くセックス…

吹流し

自宅アパートのベランダから見える一軒家の屋根より低いバルコニーに、鯉のぼりが立てられてようとしている。まさにいま、黒髪をひとつに束ねた女が、バルコニーの手すりに鯉のぼりを結びつけているところだ。 俺が小学校5年生くらいまで父は、鯉のぼりを屋…

『ルーム』の居心地の悪さ

納屋(ルーム)に監禁された親子の脱出劇と7年ぶりの社会での葛藤を描いた映画『ルーム』、ちょっと前に見た。鑑賞後、とても複雑な気持ちになってしまった。それは、この作品が、ストーリーのためにテーマを殺してしまっているからかもしれない。具体的には…

身につけたマナーなんてあっという間に失う。

久しぶりに友人と一緒に外食したときの話です。 ふたりでたらふく食べていざ会計、僕がお金まとめました。すると彼女に注意されました。ねえ、お札綺麗にまとめてから渡しなよ、って。テーブルの上に店員さんが置いたキャッシュトレイ(カルトンって言うそう…

最後のキャンプの遠い思い出

8年前のゴールデンウィークにキャンプした。高校3年生男4人でキャンプした。 県庁所在地にある港からフェリーに乗って1時間ちょっとの島の浜辺にテントを張った。前日の夜に時間のあった友人とふたりでカレーの食材を買っておいた。お酒は買わなかった。まだ…

カーテンを開け

きょうは本当にいい天気だった。こんな日にマスクするのはイヤだからしなかったし、部屋に帰ってきても気分の良さを味わい続けたくて久方ぶりにカーテンを全開にして窓も開けて過ごした。案の定鼻の調子は悪くなったけど、まあいいでしょう。この部屋のベラ…

「あの日を忘れない」じゃなく「あの日から何があったのか」 岡映里『境界の町で』感想文

「あの日を忘れない」なんてことばが毎年毎年決まった日に聞こえてくる、特にテレビの向こうから。しかしそれを聞かされるたびに「そんなこと言われなくたって俺は忘れねえよ」と思うのだ。あの日じぶんが何をしていて、どんな気持ちになって、どんな風に夜…

手に負えない現実や芸術のまえで ―いつも通り個人的な話と『花束を君に/真夏の通り雨』の感想

夕方6時前、本を読んでいたら眠くて仕方なくなったから眠った。 起きたら日付は変わっていて、熊本では大きな地震が起こり、宇多田ヒカルは新曲をリリースしていた。 たとえば有名人が死んだとき、「◯◯さんは3日前の午後帰らぬひととなりました」と報道され…

長い言い訳

さいきんレジで店員としゃべるときにじぶんの声量をコントロールできていなくて困る。発した声が大きくて恥ずかしくなったり、小さくて聞き取ってもらえず逆ギレ気味になったりする。ひとと話すのがもともとは好きな人間だったので、まさか自分が1週間を、だ…

透明

深夜、外を歩くことが多い。べつに夜遊びしてるわけじゃなくて、コンビニに行ったり、ツタヤや図書館に返却したり(図書館の本はいつも延滞してしまって、係の人に合わす顔がないから返却ボックスに投函する)、公園まで足を伸ばしたり、ただ徘徊したりそう…

「虚しさに怠けていては、生きることにはならない」

きのうなぜか酒を飲んでしまったのが失敗だった。スーパーで買った酒を飲みながらいつの間にか電気もつけっぱなしの半袖姿で眠ってしまっていて、夜中に目覚めたとき猛烈に頭が痛く吐き気がした。風邪をひいたかと思ったが違って、アルコールで副鼻腔炎が疼…

「それなら鞠子でいいです!」と言って笑ったから救われた 「とと姉ちゃん」第4話の感想文

さいきん眠りが浅くて早朝に目覚めてしまうので、4月からはじまった「とと姉ちゃん」を見ている。西島秀俊演じる3姉妹の父(とと)竹蔵が良いお父さん過ぎて泣ける。しかもまだ1週目なのに結核を患い、もうじき彼が死ぬことは視聴者もわかっているから、その…

変わらない変われない

昨秋のメモ。「散歩していたら、ある店の前に置かれた黒板に『お散歩しやすい季節になりましたね。むしろ夜は寒いくらい!』と書かれているのを見つけてしまい、少し落ち込んだ。おれの気分が上がってるから散歩しているんじゃなくて、散歩の季節だから散歩…

ファンの(俺の)ゲスな欲望を超えてくるサザンはすごい。

ローリング・ストーンズが11年ぶりに新作をリリースするってニュースをツイッターでちらっと見た覚えがあるんですけど、すごいですね。高校生のころに学校近くの映画館でマーティン・スコセッシが撮ったライブドキュメンタリー『シャイン・ア・ライト』を見…

恋についての断章

はやく私を迎えに来い。そんな嬉しいことば、他にないはずなのに、「青春の影」にとらわれて、いつまでも前に進めない。 「恋のよろこびは 愛のきびしさへの かけはしに過ぎない」 好きだけではどうにもならない、出会って間もないころに放たれたことばが呪…

汚れた白にはじけるまっしろ

小学生のころ、ハサメーという遊びが好きだった。そのゲームは人気のない廊下をフィールドとした。それは、かつて生徒会が仕事をしていた教室のためだけの廊下で、校舎の最上階の端っこにあり、教室は物置になっていた。先生もめったにやってこない。「45分…

おれの顔がどす黒くなれば。

どす黒い顔のおっさんがワンカップ片手に眠りこけている。小さな夜の公園、満開の桜の木の下。ブルーシートを持ってやってきた近所の若者たちが、困ったように彼を眺めている。夜桜の下は今夜おっさんのもの。おれたちは彼らを横目に尻目に歩き続けた。 おっ…

ニートの老婆心 ブログで稼ぐってヤクザな商売なので自慢しない方がいいのでは?

社会人やったことないんでよくわかんないんですけど、じぶんの収入を全世界に発信しちゃうかんじ、やばくないですか。 母が父の収入をおれに教えてくれたのは中学卒業のとき。母がそうしたのは、おれもようやくある程度の分別がつくようになり、父親の年収を…