雨が好きだった
この冬は寒くないらしいですが、ぼくはとても寒く感じています。外に出ることが減ったからですかね、家の中のほうが、外より寒いってこと、よくあります。
寒くないからなのか、台風並みの低気圧とかいうのがやたら通ります。きょうもこれから風強くなるんでしょうかね、風の音ってひとり暮らしだとちょっとこわく感じます。
きょうは渋谷で大森靖子のライブ見てから本屋をぷらぷらしたんですが、雨で靴ん中まで濡れて靴下びちゃびちゃになりました。そういえば、あのコンバースのスニーカーは買ってから8年くらい経ちますが、一度も洗ったことないので、これを機会に洗いましょうかね。
小中学生のころは、毎週末スニーカーと上履き手洗いしていたのにな、どんどんだらしなくなっていく。
低気圧がくると蓄膿症がうずくし、雨天だと洗濯物は乾かないし、外は人間の流れが滞るし、悪天候になって良いことなんて、何ひとつありません。
大雨が降ると小学生の頃のある思い出が蘇ります。
あのころはまだ土曜日は隔週で午前中のみ登校していました。週休完全二日制になったのは、ぼくが小学6年生になった春からです。
ある土曜日、午後になり学校から校舎を出ると、あいかわらず外は土砂降りでした。
土曜日の登校はスペシャルなことでテンションの上がっていたぼくは(土曜日の学校は下手に丸一日休むよりも断然楽しかった)、広げた傘をひっくりかえして、アスファルトに溜まった雨水をすくって傘に溜め、校舎から出てきたクラスメイトたちにそれをぶっかけました。男も女もみんな濡れて、それから水かけ遊びが始まりました。上から下まで、髪の毛も靴下もパンツもびちゃびちゃにして男も女も濡れまくりでした。雨水だけでは飽きたらずホースの水を細く強く出して攻撃したり、泥団子を投げつけたり、ひたすら楽しかった。帰ったら親に怒られるとか、風邪ひくかもしれないとか、汚いとか、水をかけられると怒る子もいるんじゃないかとか、そんなこと全然考えずにみんな雨水をかけあい、水たまりに寝転びました。
あれから15年、いまではもう、雨が疎ましくてしょうがない。コートが濡れると靴が濡れると乾かすのがめんどくさい。洗濯物が乾かない。すれ違う人の傘が憎い。体調が悪くなる。
まったく、だらしなくなった。
ただ、いまでも雨に濡れた都会のアスファルトだけは好きだ。これがなかったら、雨が心底嫌いになるだろう。