ひとつ恋でもしてみようか

いつも同じようなことを言っている

手帳買った

手帳を買ったがまだ開いていない。買った時は人生初めての手帳だと思っていたが、2度目だった。1度目は大学に入った時で、ブルーのポケットに入りそうなサイズの手帳を買った。

あの時は、この手帳が予定で埋まったらかっこいいな、と思って買ったのだった。しかしものぐさの俺は、予定なんてものが嫌いだったし、友達も少ないし、バイトもしていなかったし、学校もろくに行かなかったので、結局その手帳は白紙のまま、2010年の暮れ、ゴミ袋に放った。

 

予定が苦手だ。楽しみに思ってるはずのことも、予定になった瞬間少なからず色褪せる。そのイベントにいろいろな想像を巡らせる。想像を超えるほど楽しいことなんて世の中には滅多にありはしない。その日のために準備するのがひどく億劫だ。その予定が面接とかテストとかだったら最悪だ。辛いことのために準備をしなけりゃならないのは苦痛以外のなにものでもない。

そう思って生きてきた。

 

しかしそんなことも言ってられなくなってきた。納期が複数ある。いくつものタスクを並行して片付けていかないと間に合わない。気づいたら俺はそういったごく普通の人間らしい営みに突入していた。

だから手帳が必要になった。漠然と予定に憧れて買ってみた青い手帳とは違って、今回買った漆黒の手帳は、これからの自分が未来を生きることを象徴してるように思えた。

 

けど、まだ、ビビってるのかもしれない。だから手帳を開けない。

 

これから俺に降りかかってくる現実については、本当に想像がつかない。ここ一年の間に起こった出来事の数々は、自分の脳みそがこしらえる陳腐なストーリーをことごとく上回ったきたが、これからは想像を巡らす暇もないほどに、現実に右往左往させられることになるだろう。

それはきっと楽しい。

 

しかし、右往左往させられてばかりなのも癪だし疲れるので、手帳にはこれからの俺を支えてもらうことになるだろう。

手帳を開けば俺の1ヶ月が一望できる。でも、そこからこぼれ落ちる数々のイベントの方が、俺を形作っていけばいいと思う。手帳には支配されたくない。