2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧
著者20歳のときの小説。 橘家は母とふたりの異父姉妹、8歳のユウちゃんと浪人中のふみ(「私」)の3人暮らしだ。もっといえばペットのモルモットがいて3人+1匹の生活だったが、こいつは途中で死んでしまう。 ふみの通う書道教室の柳先生の妻も死んでしまう。彼…
そうか、ここは“ひっそり”なのか。 夜中、バドワイザー片手にいつもの大通りを歩き、すぐに飲み干してしまったので、コンビニに入る(ハイネケンってかすかに野菜ジュースの味がしないか? バドワイザー、薄くてうまい)。缶コーヒーとタバコを買ってしまう。…
瀬田なつきは『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』、『5 windows』を見てとても好きになった監督だったので期待していたけど、『PARKS』は鑑賞中ほとんど興味を持てなかった。登場人物たちにはまったく共感できないし、もっと聞きたいと思った音楽もぶつ切…
ドン、と音がして少し走った後、「やっぱりぶつかったんだと思う」と言って車を止めるので、みんなで外に出ると、通り過ぎた夜のアスファルトの上にはやはり鳩が転がっていた。あーあ、とうつむいた後ですぐに母は車に戻り、靴の空き箱を助手席から持ってき…
立川志の輔「中村仲蔵」をゴールデンウィークに見に行った。 ライブや落語とかって「見に行った」でいいのかな、といつも思う。ミュージシャンのライブは基本的には聞くものだけど、でもライブ・パフォーマンスというくらいなので、動いてるさまや衣装、舞台…
さっき見たおぼろ月は寺の屋根の上にもんもんと浮かんでいて頼りなかったけど、今はしっかり夜空に張り付いている。宇宙に浮かんでいる、というよりも夜空に穿たれたのぞき穴みたいだ。神でも仏でも死んだ母親でも誰でもいいのだけれど誰かがあの穴の向こう…
毎朝「危ないことするなよ」という母の寝ぼけた声に送られていた。 母は夜ふかしばかりしていて、小学生のころはいつも僕が下校する時間に起床していた。ある深夜、尿意を感じて目覚めた僕がトイレに行こうとすると、ダイニングの椅子のうえで膝を抱え、テレ…