担々麺をおいしくいただけるようになった
今日はマンガ読んで銭湯行って担々麺を食べた。最高に気分がいい。
銭湯で1時間、お湯に入り水風呂入り休憩する、を3セットくらいしてリフレッシュ。銭湯行くと蓄膿症も圧倒的に改善するし、痔の調子も良くなるので最高だ。ここのお湯がもう2度くらい熱くて水風呂がもう2度くらい低ければ心にも安寧が訪れるはずなんだ。『マンガ サ道』では《サウナは育てるもの》みたいに言っていたので、この最寄りの銭湯も俺が育てようか……なんて思い上がってしまうけど、俺はもうすぐ引っ越すし、そもそも銭湯にはじめて行ったのが去年のことなので思い上がりもいいとこだった。謙虚にお湯をいただきましょう。
家から徒歩2分くらいのとこに担々麺屋がある。6年くらい前、引っ越したばかりの夜中にはじめて入店したが、その時は鳥そばを食べたんだった。その後なかなか足が向かなかったので、あんまり好きじゃなかったんだろう、覚えてない。
再入店したのはつい最近のことで、その時はじめて担々麺を食べてみた。「はじめて」というのは人生ではじめてということです。俺にははじめてのことが多い。恋人が担々麺を食べたいというから付き合ったのだ。
はじめての担々麺はなんか全然舌に合わなかった。食いしん坊の俺が食べきれなかったほどに、だ。あの花椒独特の風味とか舌が痺れる感覚がとうにも苦手だった。辛いというより不快だった。
俺はちょっと苦手かも、と言ったら恋人に「ちょっと大人の味よね」みたいなことを言われて悔しかったが克服したいとは思わなかった。食えないもんを無理して食う必要はない。
今日また恋人が担々麺を食べたいと言ったので「鳥そば食うからかまわないよ」と言って三度の入店。食券機で恋人は冷やし担々麺をチョイスした。担々麺食べたいって熱い汁のたっぷり入ったやつだとばかり思ってたのでなんかめんくらった。で、調子を狂わされた俺はなぜか知らないけど今日なら担々麺を食べれそうな気がする、と思ったので「担々麺」のボタンを押した。
青島ビールを飲みながら待つ。池波正太郎が「瓶ビールはコップに注ぐのが醍醐味なんだ、だからお酌なんてさせない。一口飲んだらまたコップに注ぐ。一口で飲める量しかコップには入れない。ビールをコップに注ぐのが楽しいんだ」みたいなことを言っていたので、マネしてる。
池波さんの作品は読んだことないんだけど、《コップに注ぐのが楽しい》という無邪気な感じに「分かる〜。それでいいんだな〜」と共感したのでそうしてる。
青島ビールが3分の1くらい減ったころ担々麺が来た。
この担々麺がすごくおいしかった。もしかしたらこないだ食べた時より花椒が少なめだったからかもしれない。どうしてなのかはよくわからないが、スルスルすすれてゴクゴク飲めた。で、これが青島ビールに合う。この薄いビールで担々麺に濡れた口内を洗い流すと、花椒のちょっとクセのある風味がサッと消えるというか、清涼感に変わる。夏っぽい……とうっとりしてしまった。あっという間に食べきってしまう。
麺を食べ終わり、汁をちまちまレンゲですくって飲んでいるころには青島ビールは空になっていたので水を飲んだ。そうすると花椒の風味が口のなかいっぱいに広がった。「これだ! これが俺の苦手な担々麺だ!」と合点した。水は花椒を引き立てまくる。口いっぱいにあのえぐみのようなものが広がって舌が痺れ出す。この感じがとてもイヤだったのだと気づいた。俺は担々麺が嫌いというよりも、担々麺と水の相性を嫌っているらしい。正確に言えばこの店の担々麺と水は俺にとっては不協和音。なんたってこの店の担々麺しか知らないから。いっとき担々麺にハマったことがあるという恋人いわく、ここの担々麺は「ふつう」らしい。
担々麺が苦手な人、花椒がダメな人は青島ビールをお供にして挑むと案外イケるかもしれません。