ひとつ恋でもしてみようか

いつも同じようなことを言っている

ずっと

帰省初日の大掃除がたたって鼻炎悪化ノックダウン。鼻炎がもたらす倦怠感はインフルエンザのそれに匹敵する……。マスクしててもホコリにやられた。今日は午後5時まで寝ていた。とは言っても、眠ったのは午前5時で、それから11時くらいまでは、眠る、悪夢、覚醒。眠る、悪夢、覚醒……の流れを5回くらいしていたので、全然寝れてない。ずっと眠っているのは、ずっと眠れてないからだ。

 

昨日か一昨日かの夕食時、父とキョーダイとテレビを見ていた。とんねるず石川遼やイ・ボミらとホールインワン対決をしていた。特別ルールとして、男子プロ以外の参加者のために、本来のカップとは別に3つのカップが用意されていた。女子プロととんねるずは4つのカップのどれに入れてもホールインワンとのこと。

何巡目か覚えていないが、イ・ボミの打った打球がグリーンに乗ったとき父は「あれ、なんでカップがたくさんあるんだ」と言った。

俺たちはみんな黙々と食べながらテレビを見ていたはずなのに、父はようやくグリーンにカップが4つあるのに気づいたらしかった。

父が食卓を去り自室に引っ込むと俺はすぐに「父さん、延々テレビ見ているのにテレビの見方ヘタだよな」とキョーダイに言った。キョーダイは「ずっと見てる人って案外何にも見れてないよね」とこたえた。

父は一日中テレビを見ていて仕事始めなはずの今日も自室にずっとこもっていた。あの部屋にはテレビとベッドマットと仏壇しかない。

 

ずっとずっとずっとずっとずっとずっと。

 

実家には故人の遺した衣服や化粧品なんかがたくさんそのままになっている。最近の俺は、過去の品を捨てることにためらいを無くしつつあるので(モノに未練を残すタイプの人間だったけれど、「なんで捨てるのそんなにためらうの、過去にとらわれてたらダメだよ」と言われたので、おそるおそるだけどモノを捨てるようになってきた)、故人の遺品も処分・整理したいけれど、その考えを父に言うのは、なんとなくためらわれる。父がずっとこの家で故人の痕跡に囲まれながら生きるのはしんどいのではないか、と思うがしかし、憚られる。

そういえば故人は思い出の品を綺麗に残しておくタイプだった。俺の部活着なんかそのままタンスにしまってあった。

 

こないだ、洗面所の戸棚を開けたら生理用品がいくつか置いてあったのでキョーダイに「こういうのもう捨てた方がいいよなあ」と聞いた。そしたらキョーダイは「それ、お母さんのじゃないよ。お母さん、とっくに上がってたよ」と笑った。

 

ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと。