ひとつ恋でもしてみようか

いつも同じようなことを言っている

輪郭

あかんぼうの成長が著しい。最近は自分の手に興味を示し出した。おもいきり開いた手のひらを見つめ、おもむろに口に含む。以前は“指しゃぶり”というよりも“拳しゃぶり”だったが、親指だけしゃぶることを覚えた。自分の手のひらを知り、それぞれの指の分離をも知りつつあるのかもしれない。1ヶ月くらい前から足をつかむようにもなったし、1〜2週間前からやたらと声を発するようにもなった。泣くわけでも笑うわけでもない純粋な発声もまた、自分の声帯、そして聴覚を確かめ、自分の声を知るために必要な動作なのかもしれない。

自分の体の輪郭を毎日少しずつ確認していく生後5ヶ月弱の娘を毎日見ていると、だらしない食事と飲酒、そして運動不足で日々肥える自分のみっともなさが際立つ。彼女とは対照的に、俺の体の輪郭は日々ぼやけていくようだ。

 

体がぼやけると、意識もぼやける。俺は毎日ぼんやりしている。センシティブに生きることに慣れなくてはいけない。俺は極極に集中力を高める必要がある。訓練の必要がある。俺はずっと「アメリカの夜」の唯生に憧れがある。

日々刻々と己の輪郭を知り体を発達させていく娘のように生きたい。

世界にさらされる己の体、その輪郭を明確にし、鋭敏な皮膚感覚を持つことではじめて、世界を知ることができるはず、そう信じている。この信仰が俺の希望だ。午前3時の信仰告白