ひとつ恋でもしてみようか

いつも同じようなことを言っている

おもしろくなくていい

我が家の猫はきっとバズらない。活発に動き回ったり好奇心旺盛だったりするわけではなく、ふてぶてしく寝ているばかりで、その寝顔も真っ当にかわいすぎるわけでもブサカワイイわけでもない、ただ猫らしくかわいいだけ。

この猫がネットでバズるような仕草や表情を見せることはないだろう。洗い物をしながら俺のすね毛に頭をこすりつけるこの猫を見て、そう思う。ちょっぴり残念な気がしたような気がして、そんな風に思った自分に嫌気する。別に、バズってほしくてこの猫と暮らしはじめたわけじゃなかった。彼は彼のままスマホで最高の瞬間を捉えられる前に、身を翻しつづけていればいい。おもしろくなくていい、ただそこにいればいい。

 

おもしろくなくていい、というのは、俺や妻や赤ん坊にとってもそうなんだろう。別に、おもしろくなくていい。バズる必要なんてない。俺たちは俺たちの生活をただひたすらにやっていくだけだ。眠っている娘がニコニコしているのを見て、妻といっしょに微笑む。そんなベタな瞬間をただ積み重ねて、そっと生活していく。

 

まあ別に妻や娘、あるいは猫がよそで突然バズっても全然かまわないし、それはそれで喜ばしいんだろうが、俺はそういう心がまえでしばらくやっていこうと思う。