ひとつ恋でもしてみようか

いつも同じようなことを言っている

銭湯に行くようになった②

 

ということで最近銭湯に行くようになったついでに、サウナすることも増えた。子供の頃、大人は強がって入ってるもんだと思っていた水風呂が、今では至福の空間になっている。

日本にたった2人しかいないサウナ大使の1人であるタナカカツキの描いたマンガ『サ道』に従えば(もう1人は長嶋茂雄らしい)、サウナとは《サウナ室+水風呂》のことであり、熱いサウナ室に入っただけで脱衣所に帰るのは無意味らしい。水風呂に入ってこそのサウナだ。

 

 

実際、サウナで体を火照らせた後の水風呂はとても気持ちがいい。俺はまだニワカなのでマジでととのったことはないような気がするが、《ととのい》に近づいてはいると思う。

 

《ととのう》とは、高温のサウナと低温の水風呂の交互浴によって毛細血管の収縮を促し全身の血行を促進し、脳に酸素を大量供給することで、脳をトランス状態に持っていくことだ。これが心底気持ちいいらしい、ぶっ飛ぶらしい。俺はまだそれほどの快感はまだ味わったことがない。落ち着きのない性格であることや、良い設備を持ったサウナに行ったことがないのが原因だろう。

あと『サ道』を読んで気づいたのだが俺はサウナ室→水風呂の後の「休憩」という項目を軽視していた。この休憩中に人はととのうらしい。

 

最近はすっかり枯れてしまった村上龍が『村上龍映画小説集』の中でこんなことを書いている。

二時間ほどサウナ・水風呂・ジャグジーの順番で入り続け、世の中にはこれほど気持ちのいいことがあったのか、と思い、今度会った時にヨウコに話してやろうと決めた。死ぬほど汗を掻いて、しかも、真夏の熱帯夜にベッドで掻く汗とは違ってサラッとしてるんだよ、コカインやマリファナや酒や煙草の毒が汗と一緒に出ていってしまうような気がするし、セックスの後のようにからだと頭が軽くなって何も考える必要がなくなるんだ

 

村上龍映画小説集 (講談社文庫)

村上龍映画小説集 (講談社文庫)

 

  

この小説が書かれたのは1994年くらいのことだが、この実体験とおぼしき挿話は、村上龍の年表に重ね合わせると1970年を過ぎた頃のことだろう。龍は今より40年も前にととのっていた! あらゆる快楽を味わった村上龍が言うのだから、やはりサウナはこの世でいちばん気持ちの良いことなのだろう。やらない手はない。

さっき「『サ道』に従えば」なんて書いたが、俺はさっきこのマンガを読んだばかり。サウナ室と水風呂の交互浴の後に「休憩」というインターバルを挟まないと「ととのった」状態には至れないらしいことを知った。先に村上龍の小説でいえば「ジャグジー」が「休憩」にあたるのだろう。今度からはちゃんと休憩しよ。


ここまで「サ道」のことを書いてきたのになんだが、俺は熱い湯に浸かった後の水風呂が好きだ。いちど46度の熱い湯に浸かった後17度くらいの水風呂に浸かったことがあるが、あれは最高だった。

あと、不定期だが銭湯に行くようになってから、持病の副鼻腔炎(蓄膿症)が改善した。埃をあびたり疲れたり痛飲すると服鼻腔が疼き頭がめちゃくちゃ重く痛くなり全身が倦怠感に襲われたものだが、銭湯に行くようになった今年から、そういった不調に見舞われることがなくなった。血行が良くなったことや、鼻腔が潤うようになったことが要因だと思う。ずっと通っていた耳鼻科の先生は毎度、抗生剤かなんかといっしょに点鼻薬を渡してくれた。鼻の穴を覗きながら「乾燥してるねー」と言って点鼻薬を処方してくれるのだ。

しかし、一本の点鼻薬よりも一回の銭湯の方が鼻腔を潤わせてくれると今俺は実感している。

私小説家の車谷長吉はひどい副鼻腔炎だったらしく、それもあってシンパシーを感じていた作家だったが、俺は銭湯に行くことで副鼻腔炎を解消しつつあるのでほんのちょっと心が離れた。銭湯行ってなかったのかな。

 

 

車谷長吉の人生相談 人生の救い (朝日文庫)

車谷長吉の人生相談 人生の救い (朝日文庫)

 

 

 
サウナ室はものすごく乾燥してるから鼻で息ができない。サウナストーンに水をかけることで水蒸気を発生させ体感温度を上げ発汗を促す「ロウリュ」(ウィキペディアより引用)というものがあるらしいが、あれは鼻腔を潤わせる効果があるんだろうか。いちどやってみたい。