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ひとつ恋でもしてみようか

いつも同じようなことを言っている

散歩①

とても気持ちが良かったのでひとりで散歩した(ひとりでも散歩ができるようになった)。

 

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散歩のお供にコーヒー屋で「本日のコーヒー」を注文した。とてもうまかったが、アレはいったいなんだったんだろう。

カカオ90%くらいのチョコレートのようにビターで、喉を下って2秒後にやってくる酸味とのバランスもとても良かった。また飲みたいが、「4月18日の『本日のコーヒー』ってありますか?」と聞けばまた飲めるのかどうか。「本日のコーヒー」は毎日ちゃんと記録されてるのか、それとも気まぐれに決めていてメモなんか取っちゃいないのか。仕入れとかあるんだし、ちゃんと記録されているんだろう。でも「本日のコーヒー」は「本日のコーヒー」なので、2度と飲めないのかもしれない。

いずれにせよ僕が気まぐれにコーヒーを飲めるのは、毎日なにかしらのコーヒーを淹れる人間がたくさんいるからだ。

恥ずかしげもなく「本日のコーヒー」と言えるようになったのは成長だと思う。

 

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なんの用事もない日(ほとんど毎日)、「よし、外に出るぞ」と思えるのはだいたい午後4時過ぎで、支度をしていたら5時を過ぎてしまう。僕は男だが出かける準備に時間がかかる。別にオシャレしてるわけでもないのに。ちんたらしている。

そんなわけだから、冬だったらようやくドアを開けた午後5時にはとっくに辺りは暗くなっていて、道を歩いても家にいる時と変わらずクサクサした気分が続く。まったくリフレッシュにならない。その点、春・夏は日が長いのでよろしい。この季節の「散歩でもするか」という小さくとも時間のかかる決意は、太陽に間に合う。

今日はザ・なつやすみバンド『TNB!』なんかを聞いて歩いた。

 

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 良いマンション。今日は不動産屋の店頭に並ぶ間取り図もできるだけチェックしながら歩いた。

 

ここまで、まるで17時から散歩を始めたように書いていたが(毎日ちゃんと移りゆく季節を眺めている人はとっくにわかっていただろうけど)、上の写真はぜんぶ午後6時以降に撮ったものだ。家を出てまず向かったのはチェーンの立ち飲み屋で、そこでホッピー引っ掛けてから歩きはじめたのだった。コーヒーは酔い覚ましだった。

 

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7時20分くらい、さすがに暗い。立ち飲み屋では煮込みしか食べてなかったので腹が減ったからそばでも食おうかと思ったが、初めての店はひとりじゃ億劫だったのでやっぱり止めた。そば屋入ったらまた飲んでしまうし、止めて正解だったと思う。

 

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 午後7時37分。

 

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このとき午後7時47分だとiPhoneが教える。

かき氷を入れたガラスの器みたいな街灯が安っぽくてかわいい。

 

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「フルーツパーラー」の軒先にはパフェやかき氷がたくさんディスプレイされていて気になったので扉の奥を覗いたら、座敷で壁にもたれてあぐらをかいたおじいさんが虚ろにテレビを眺めていた。

 

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ひさしの朽ちた軒先が異様だった。この商店街は比較的元気な方だろうが、時々朽ち果てた店舗が放置されていて恐い。軒先のアスファルトが溶けているところもあった。

 

この商店街の最寄り駅と隣駅までの途中にあった中学校のグラウンドで、ブラインドサッカーの練習がされていた。生で見るのは初めてだったので、ガードレールに腰掛けネット越しにぼうっと眺めた。彼らはいつから見えなくなったんだろうか、すごく上手だ。iPhoneで調べてみたら、日本代表強化指定選手らしかった。そりゃ上手いわけだ。

太った愚鈍そうな男は、巧みな足さばきの細っちい男からボールこそ奪えないが、シュートコースを切ることに徹した重心低いディフェンスをする。最小限の動きで最低限の仕事を確実にこなしていた。

ブラインドサッカーはボールの中の鈴の音、相手の足音、味方の声などなど、音を聞くことが大事だろうから、シャッター音の鳴るiPhoneでの撮影は止めておいた。

 

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家屋の外壁を照らす緑のネオンがたまらなく好きだ。濡れたアスファルトに滲んだのでもいい。

  

信号機がすぐそばにある部屋に、少しの間でいいので住んでみたいなと思う。カーテンなんか掛けないで、信号の灯りを盗んで生活したい。長い赤と緑、短い黄色に照らされた、家具の少ない部屋のなかで、ぼんやりしていたい。しかしどこの不動産屋の店頭にも、「信号の灯りが入ります」との書き込みは見当たらなかった。

 

いつもと違うブックオフでお目当ての本を買って、いつもと違う松屋で牛丼を食べて、30分くらい歩いていつもの清潔な自宅に帰った。