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ひとつ恋でもしてみようか

いつも同じようなことを言っている

「大森靖子の続・実験室 vol.23」ラフレポート 大森靖子のファンとの距離感

ZEPP TOKYOでのツアーファイナルから3日後の11月21日、大森靖子ファンクラブ「実験現場」会員限定イベント「続・実験室 vol.23」が、新宿ロフトプラスワンで行われた。客から集められた感想アンケートに従って、ツアーを振り返るのがこの日のイベントテーマ。


いつも満員の「実験室」に、いつも開演ギリギリで着いてしまうので、どんなに整理番号が早くても大森さんの真正面に座ったことはない。この日は入口からつづく通路わきの席、舞台真横に位置する席だった。控室を降り、ステージに向かう大森さんはすぐそばを通ってった。ZEPPでは最後方から見ていたのに、この日はめちゃくちゃ近くを過ぎてくから、胸の真ん中が喉まで上がってきた、緊張した。大森さんとの距離感、遠近がぼやける。



ツアーの振り返りトーク。
いままでのライブはファンが心配げに見守っているのが分かったり、大森靖子どんなもんかひとつ見てみようや、くらいのテンションで来ている人が気になったけど、今回のツアーはみんなが楽しみにしてるのがわかったし、実際に楽しんでくれてて良かったと大森さん。「自分のライブで『圧縮』起きるのが夢だった(から実現して嬉しい)」と語っていた。
個人的に大森靖子のライブでフロアが揺れるのを初めて経験したのは今年2月18日に赤坂BLITZで開催されたワンマン「HELLO WORLD! MYNO. IS ZERO」だったが、それから9ヶ月後のZEPPのオーディエンスの熱気と静寂はあのときを上回っていた。


ZEPPのはじまりを告げたSEはサクライケンタ作。この音源のために大森さんは深夜遅くまでかかったミスiDの審査のあいま、講談社のトイレにこもってiPhoneのボイスメモで声を録音したらしい。ZEPPでは「歌詞にトイレって単語が多いってファンに指摘されてしまって恥ずかしい」と言っていたけれど、音源すらもトイレで生まれているのには笑った。トイレで入れた声を観衆に聞かせるのめちゃくちゃ興奮しそう。
「TOKYO BLACK HOLEツアー」のハイライトのひとつになった「SHINPIN」の制作過程についても話題にのぼる。いつかの実験室で、2016年は大森靖子×サクライケンタで行く、と大森さんが言っていたのを思い出す。ちなみに、大森さんがファイル名「パーフェクト―キョー」としてサクライ氏に提出した音源は、彼の手によってファイル名「SHINPIN」に変更され戻ってきたらしい。
提出したデモは鍵盤で弾いたとのこと。それがギターでのあの弾き語りに化けるんだからおもしろい。


ZEPPで「さっちゃんのセクシーカレー」で「さちこ」を「さちえ」に替えて歌ったことに触れながら(「さっちゃん」は平賀さち枝)、「少女漫画少年漫画」の「魔法は効かない 呪いは解けない」という詞を「魔法は解けない 呪いは効かない」と替えて歌ったことについて、全然覚えてない、と大森さんは言っていた。
「音楽はファンが勝手に解釈してくれるから楽しい」。
どんなにすばらしい音楽の魔法も最後はけっきょく自分次第ですね。


そういえばイベントも中盤にさしかかるころ、俺もそっち行っていい?邪魔しないから、と(シークレット)ゲストが飛び入り参加する一幕もあった。この人、控室につながる階段に座ってトークを聞いていたのだが、聞き役の二宮ユーキが頼りないという口実でステージに上がってきた。酔っぱらったゲストの語りと大森さんのトークが同時進行する瞬間もあってけっきょくカオスになる瞬間も。めちゃくちゃ笑った。
階段に座っているときのゲストの方は大森さんのトークに、誰よりも大きい声で笑っていた。酔っぱらっていたからなのか、誰よりも大きな靖子にゃん愛ゆえだったのかは、よくわからない。



トーク終了後のミニライブ、この日のセットリストは以下の通り。

 

1.きゅるきゅる
2.生kill the time 4 you、、
3.イミテーションガール
4.焼肉デート
5.TOKYO BLACK HOLE
6.呪いは水色
7.オリオン座

 

二宮さんがギターを持ってると勘違いした大森さんが、会場にギターを持ってくるのを忘れてしまうというハプニングもあって、カラオケとアカペラと合唱でのライブ。
結果、聞き慣れたCDとは別のオケに合わせて歌っているのがレアで、客席にいたエアギター日本2位の方(生kill the time 4 you、、」コラボが楽しく、「呪いは水色」のアカペラが堪能できてよかった。
この日の「TOKYO BLACK HOLE」と「呪いは水色」は、何度も再生してる。「大森靖子 実験室」でツイート検索すればファンが撮影した動画がいくつか見られるはず。それにしても、大森さんが隣を通っただけで俺はあんなにも緊張してしまうのに、いっしょにパフォーマンスしたエアギターの彼の緊張と高揚はいかばかりだろう、彼はすごくいい顔をしていた。ZEPPファイナルのときの「まいぷに」と「私。」もそうだけれど、思いついたアイディアをすぐに実行してしまう大森さんのサービス精神と無謀と懐の深さは素晴らしい。

大森さんのファンとの距離感は独特だ。この日のエアギタリストもそうだけど、ツアーのTシャツデザイン(意識高いT)を任せた青柳カヲル(@kaoru_aoyagi )さんも大森靖子(と道重さゆみ)のドローイングをひたすら続けている方だ(道重一筋Tシャツと大森靖子さんの意識高いT|青柳カヲル|note)。
1ファンでもその才能が卓越しているとわかれば、ステージに引き上げて活躍の場を与える。もちろん彼ら彼女らのパフォーマンスが「大森靖子」を向上させる確信があってこその振舞いに決まっているが、そもそもファンひとりひとりを見る視線が鋭く温かく、そしてその視野が広くないとできないことだ。「大森さんの音楽を糧に、目標へ向かって頑張っています」と伝えるファンに対して「いつか一緒に仕事しよーねー」と応答する彼女はいつも本気で、やさしい。
そもそも、メジャーに行ってからも月に1回、ロフトプラスワンでファンクラブイベントをやるのがすごいと思うんだけれど、サザンオールスターズのファンクラブに一瞬入ったのを除いたら、俺は他のファンクラブを知らないので、そのあたりのことはよくわからない。



この日の実験室は大いに楽しかったのだけれど、帰宅後は個人的に辛いことがあった。実験室関連のツイートを漁っていたら、ファンの方が撮影した動画に俺(らしき人)が映り込んでいたのだ。その人は、大森さんが歌っている間ずっと役立たずのメトロノームのように不規則に揺れてて目障りになっていた……。あんなノリ方している人他に見たことない……。曲調にまったく合っていないから、後ろに位置してしまったお客さんはステージに視線を定めにくくてしょうがなかっただろう……。俺いつもあんな感じなのかな。
ファンもライブの一部なのだと自覚を新たにし、こんどからはあらゆるライブでもう少し緊張感を持とうと決意した。後ろの方、その節は、どうもすみませんでした。