ひとつ恋でもしてみようか

いつも同じようなことを言っている

「他の女のとこにタワー建てにいくのね!」

けっきょく、ほとんどすべての営みは、環境のなせるわざだと思うし、どんなに体調が悪くたって、働かなくてはならないのなら、フラフラしながら家を出るはずなのだ、と、車内広告(「風邪でも、絶対に休めない あなたへ」)を見て思った。


愛子さまがずっと学校を休んでいるらしい、かわいそうに。獣医さんになれたらいいのにね。おじいちゃんのせいにされるのも悲しいね。


一生懸命働いて帰ってきて鍋に出汁取ってほうれん草と豚肉とシャウエッセンぶち込んだのを食った後で歌うたっている女の人の動画見て超楽しいけど超悲しくなった、いいなあ、すげえなあ、ひるがえって俺は……となった、しかしまあ、ひるがえさせることができるのが、彼女のすごいところだ、後藤にいさんもそう言っていた。
1万円の東京タワーをゴツゴツ建てるたびに田口和良が味わう快感以上の刺激を、俺を味わったことあるのかな、糖度計みたいに快楽や痛みが数値化できるようになったらイヤだなあ。


インターネットは見えない誰かがつくっている。彼ら彼女らの労働が俺の余暇しかない時間を支えている。


俺の生活は誰かの労働の所産によって囲まれているのに、俺は誰か(anybody)の生活を彩ったり支えたりしていないというのは、たしかにむなしいような気がする、でもそれも夜が朝に変わるような時間に起きているから起こる感傷に過ぎない、感傷は無意味。鼻水を包むクリネックスはマツキヨで買った。

 

労働、仕事、活動……とかそんな区別知りたくなかった。ニートは貴族ではない。
そういえば、2駅前で降りた帰り道、未だ買えてなかったテレビブロスを求めて入ったナチュラルローソンで見かけたあの人はいつか自由が丘で出会った女に似ていたけど、記憶のなかの彼女よりずっと艶やかだったしなぜかかわいいルームウェアを着ていた。この辺に彼氏ができて色々変わったんだろうか。ジェラピケは前戯。……残念でした!