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ひとつ恋でもしてみようか

いつも同じようなことを言っている

がっかり

ちょっと前、旧友と近況を報告しあったときに、「オマエにはがっかりしたよ」と言われた。

 

学生のころから無職時代まで、俺の孤独はその旧友と、むかし付き合ってた女のふたりによって埋められていると言っても過言じゃなかった。だから、彼が去り、彼女に去られ、そのとき俺は徹底的に孤独になるのが道理だった。でも俺は都会の閑静な住宅街に固定されたワンルームで味わう人生最大の孤独にすぐ音を上げて、インターネットに言葉を吐いた。その吐瀉物は案外実りをもたらしてくれた。その結果、いまの俺の生活はとてもはなやかになった。旧友と恋人がいたとき以上に、だ。

とはいえ、俺はいまだに働いてない。たぶん旧友が「はなやかな俺」にがっかりしたのは、自分の孤独を適度に柔らげる地点までは逃げられる程度の能力と運を俺が持っているからで、現状を徹底的に変えるような力を、いまだに俺が手に入れていないからだった。力をつけるための取り組みすらしていない俺に対しての哀れみが、彼の目には色濃かった。

 

 

「母さんが死んでから良かったことってある?」と兄弟にたずねたら「良かったってわけじゃないけど……」とごく自然な前置きをしたあとで彼女は「友だちとよく遊ぶようになった」と言った。そういうこともあるんだよなあ。