ひとつ恋でもしてみようか

いつも同じようなことを言っている

口唇期なう

 俺にとってミンティアは、1箱(単位あってる?)51粒だ。フタの部分まで口に含むから。飲まないけど、延々噛み続ける。だったらガム買って噛んだ方が良いんだろうけど、ミンティアの方が口臭に効く気がするから、ガムではなくミンティアを選ぶ。スカッとするし。あと、フリスクは、高い。
柿ピー食べるみたいに口に入れるから、俺のミンティアは1時間くらいでなくなることもある。ふつうの人がピー柿食べるペースより速いかもしれない。
柿ピーじゃなくピー柿って言ったのは、どっかのプライベートブランドの柿ピーがピー柿を名乗ってるのをさっき目にしたから。


少し前まで、毎日ペットボトルのフタと本体をつなぐリングの部分も外して噛んでた。俺は何かを口に入れたいクセがあるんだろうか。




小学校低学年のころ、母と兄弟と3人で敷布団を二枚ひいて寝ていたんだけど、母と兄弟がテレビに夢中になっている間、俺は眠ったふりして布団に潜り込み、足の指の爪を噛んだ。伸びているからとかではなく、噛みたいから噛んだ。手の爪より噛みごたえあるんじゃね?と思ったことは覚えている。布団の中でもぞもぞ動く俺に気づいた母が、布団をめくって俺の滑稽な姿を目にしたときの、あの丸くなった目が忘れられない。なにやってるの!と怒鳴った後すぐに彼女は「愛情が足りないのかな、ごめんね」と言いながら、俺を抱きしめ頭を撫でながら、泣いた。
わけがわからなかった。兄弟はそのとき、どんな顔してたんだろう、思い出せない。



もっと小さいころは、母の車のドアの窓枠の下の部分のビニール?も噛んで、中の綿をむき出しにしていた。それを見た父は、この車にはネズミがいるのか?とかつまらない冗談をいつも言った。
運転席側の後部座席、万が一事故にあっても比較的安全らしい位置、そこにいつも座るよう促されていた(俺がまだ一人っ子だったとき)。母がハンドルを握っている間、彼女の目を盗んで俺はえんえん外の景色を見ながらドア枠のビニールを噛んでいた。噛みちぎったそれを俺はどこに捨てていたんだろう、飲みこんでいたのかもしれない、そうなると、噛んでいた話ではなく、食べていた話になってしまう、それは困るから、ワイルドに、窓を開けペッと吐いていたことにしよう。



母の愛情は足りていたとおもう。母は俺に優しかった。だから率直に言うと、足りてなかったのは、愛情じゃなくておっぱいだったんじゃないかと思う。彼女のおっぱいはマジで乳首しかなかった。少しの膨らみもなかった。死ぬ直前にも確認したから間違いない。俺がいつも口さみしいのは、ずっと幼いころに大きなおっぱい吸えなかったからだろう。
おい貧乳!愛情は人並み以上に与えてくれたと俺は思ってるぞ!!ただ、俺の求める愛もまた人並み以上だったんだ、ごめんな!!!