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ひとつ恋でもしてみようか

いつも同じようなことを言っている

「ちょいと寂しいね」 小津安二郎『秋日和』(1960年)感想

三輪の七回忌。寺に集まった三輪の妻秋子(原節子)とその娘で未婚のアヤ子(司葉子)は、三輪の友人たち間宮(佐分利信)、田口(中村伸郎)、平山(北竜二)の相手をする。3人は24歳のアヤ子に縁談を持ちかけるが、彼女は笑ってごまかす。母・秋子をひとり残して結婚…

男がドヤ顔で語る恋の思い出 『ラ・ラ・ランド』感想文

冒頭ハイウェイでの長回し(風?)ミュージカルシーン、曲のラストでカメラの高度が上がり、撮影のために封鎖した車線以外では車が走り続けてるのを見せるんだけど、この映像に「この撮影のために道路封鎖したのすごくない?」という自慢を見てしまい(いや、…

『マッドマックス 怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディション』

『マッドマックス 怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディション』見た。タイトル長ったらしいけど要するに『怒りのデス・ロード』モノクロ版。 正直みんながV8V8言ってるころは全然ノれなくて、1回しか見てなかったから、これも見る予定はなかったんだ…

エドワード・ヤン『タイペイ・ストーリー』(1985年)雑感 〈台湾=親日〉?

ちょっと前に東京フィルメックスで『タイペイ・ストーリー』見た。主演のホウ・シャオシェンからビデオメッセージが届いていますのでそちらからご覧ください、って言ったかと思えば、そのありがたいメッセージが流れる前のスクリーンには、5分間、さまざまな…

フラッシュバックに救われる 『ハドソン川の奇跡』感想文

USエアウェイズ1549便は、何度も墜落し何度も着水する。 現実ではたったいちどの「奇跡」だった不時着が、機長の記憶として、フライトレコーダーの記録として幾度もフラッシュバックで再現される一方で、機長はもうひとつの可能性、つまりニューヨークの街中…

人生のハッピーアワー 濱口竜介『ハッピーアワー』感想文

ちょっと前に友人4人で温泉旅行に行ったとき、どんな小さいことでもいいから今まで言わなかったことを言いあおうということになった。けれど、誰も口火を切らない。俺たちは本当になんでも言いあっていたので、言うことがなくてみんな困っていると思ったら、…

「君の名は。」感想文?

『君の名は。』はきっとこれから何度も見ることになるだろうな、と思えるほどいい映画だった。この作品を見るにあたって新海誠の『ほしのこえ』、『雲の向こう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』を見ておいたんだけど、この男はずっと同じことを繰り…

『ジュラシック・パーク』見たよ

『ジュラシック・パーク』見た。去年の暮れ帰省したときに録画しておいたのを見た。 (ここから先に書かれることはほとんど事実を知らない人の憶測・妄想です)。 恐竜を現代に甦らせ、とある島に恐竜テーマパークをつくりあげたハモンド博士だったが、その管…

『シリア・モナムール』と『FAKE』を見た。(ネタバレ過敏なひとは読まない方がいいかも)

7月1日映画の日はドキュメンタリーを2本見ました。『シリア・モナムール』と『FAKE』。どちらも愛についての物語として見れて、すごくよかった。 亡命し、内戦下のシリアには戻れず、パリでむなしく苦悩しながら過ごす映画作家オサーマ・モハンメドと、自由…

森達也『FAKE』感想文(ネタバレあるっぽい)

煙草を吸うため、開け放たれた窓。カメラがベランダに立った瞬間、マンションからほど近くを走る列車が画面を横切って行く。のちにわかるが、ふだん閉めきられたこの薄暗い部屋にも、線路のうえを流れる列車の音は侵入してくる。しかしその男にその音は聞こ…

見た映画の話と少しだけ自分の話

さいきん見た2本の映画の話をしてから(しながら)自分の話を少しだけします(以下、1500字ちょっと)。 『エレナの惑い』を見た。ロシア映画。富豪と再婚した女が、子供(女にとっての孫)を大学に通わすことができない無職の甲斐性なし息子(前夫との子)…

広瀬すずと松岡茉優が好きです 『ちはやふる 下の句』第一印象

『ちはやふる 下の句』を見た。『上の句』は、何の気なしに見たら傑作ですごく興奮したこともあって、このブログに感想文も書いたから、『下の句』についても書きたいんだけれど、今回はただひたすら涙を堪えるのに必死で、まともに感想するような余裕がなか…

聖母・上原亜衣を忘れないために 『青春100キロ』感想文(ネタバレあり)

ネタバレ多少あると思いますが、セックスだって、精液を出すことだけが目的じゃないでしょう。その過程が楽しいってなもんなんでしょ。つまり結末を知っていても、この映画はおもしろい、ってことです。 『監督失格』の平野勝之が監督するAV女優・上原亜衣引…

『そして父になる』、『男と女のいる舗道』、『インターステラー』について、ずっと昔に書いた感想文

ずーっと昔に書いた映画感想文を発掘したのでここに晒します。めちゃくちゃ背伸びしてるくせに下手くそで、完全に黒歴史という感じですが、これでも数ある中のマシなやつです(そう思えているからここに上げている。それは裏を返せば、これくらい書けてれば…

顔こそがスペクタクル 『スポットライト 世紀のスクープ』ネタバレも少しありつつ雑感

ストーリーについてのネタバレというほどのものは書いてないとおもうけど、そういうのが絶対に嫌だという人は読まないでください。 アカデミー作品賞、脚本賞を受賞した『スポットライト 世紀のスクープ』は、とにかく登場人物の顔、表情がいい。 マーク・ラ…

『ルーム』の居心地の悪さ、そしてなぜ女性観客が足を運ぶのか(ネタバレあり)

納屋(ルーム)に監禁された親子の脱出劇と7年ぶりの社会での葛藤を描いた映画『ルーム』、ちょっと前に見た。鑑賞後、とても複雑な気持ちになってしまった。それは、この作品が、ストーリーのためにテーマを殺してしまっているからかもしれない。具体的には…

『ちはやふる』は競技かるたへの熱い恋心に満ちた青春映画なので、少女マンガ映画が嫌いな人も見るべき。

『ちはやふる 上の句』観ました。平日昼過ぎのトーホーシネマズ六本木スクリーン1には、春休みの中学生女子グループが何組かいました。彼女らは映画の作り手が狙ったところでことごとく笑っていて素直で大変よかったです。ただ、國村隼がオヤジギャグみたい…

ガネーシャとしてのディーパンが自らこしらえるNo Fire Zone 『ディーパンの闘い』感想文(ネタバレあり)

『ディーパンの闘い』は内戦下のスリランカから難民として脱出したディーパン(アントニーターサン・ジェスターサン)という男が、2人の見知らぬ女と「擬似家族」をつくってフランスで生活していくという筋書きです。 インドの南東にある大きな島スリランカ…

イニシエーションとしての弔い、死者ではなく死にゆく者のために。 『サウルの息子』感想文

『サウルの息子』は弔いがおろそかになりがちな現代に、葬儀という通過儀礼の意味、なんのために人は人を弔うのか、という問題を提起するような非常に価値ある作品でした。 まあおれなんかに価値あるって言われなくたって、アカデミー外国語映画賞取ってます…

「IS THERE LOVE IN THE AIR…?」 NMB48のドキュメンタリー映画見ました。

NMB48のドキュメンタリーを見た。ぼくは5年半前AKBにハマった時期があって、握手会には行ったことはないのだけれど、劇場公演と葛西臨海公園で行われたライブには行った。NMB48はその葛西臨海公園でのライブにてお披露目された。大雨の中米粒大の彼女たちを…

『ザ・ウォーク』 綱渡りアーティストとその共犯者、そしてニューヨークの青春

映画の日に渋谷のTOHOシネマズで観たのは、ロバート・ゼメキス監督、ジョゼフ・ゴートン=レヴィット主演『ザ・ウォーク』。期待していた以上におもしろかった。実話を元にしたフィクション。 あらすじ映画の舞台は1974年、ニューヨーク。この年NYには世界一…